親知らずの抜歯

親知らずは「抜歯しなくてもいい」ケースがあります

多くの方は「親知らずは抜かなければならない」と考えています。ですが、「あえて抜歯をしない」という選択肢も可能性としてあります。

たとえば親知らずが真っ直ぐに生えている場合です。痛みや腫れなども起こらないため、とくに抜かなくても大丈夫です。親知らずを残しておくことで、将来他の歯がダメになった時に移植して使えるというメリットもあります。

抜くべきか、そのままにしておくべきか。まずは、親知らずを抜歯するメリット・デメリットを知っていただきたいと思います。

親知らずを抜歯するメリット／デメリット

患者さんの口の状態によって、選択肢は様々です。まずは専門の歯科医師と相談をしたうえで、今後どうするべきか判断していくことが大切です。

負担の少ない親知らず治療のために

痛みを減らし、可能な限り負担を減らして抜歯するために、当院では以下のような工夫や取り組みを行っております。

三次元で口の状態を把握する「CT装置」

親知らず治療の成功は、事前診断の精度がカギを握っています。当院が用いるのは「CT装置」です。三次元で口の状態を立体化する画像診断装置で、一般的なレントゲンよりも詳細に分析することができます。

麻酔効果を高める「伝達麻酔」

親知らずが生えてくる部分は、実は麻酔が効きにくい場所です。普通の麻酔では効き目が薄いことから、「親知らず治療は痛い」と言われることがあります。

しかしご安心ください。「伝達麻酔」を行えば、痛みを抑えることができます。伝達麻酔は、大元の神経に麻酔薬を注射することで、より広範囲に麻酔を効かせる方法です。これで安心して抜歯に臨むことができます。

「妊娠前」の女性に親知らずの抜歯をお勧めする理由

女性の方は、できることなら、妊娠前に抜歯を済ませたほうがよいといわれています。現在は痛まなくても、妊娠中に急に痛みだす可能性があるからです。おとなしかった親知らずが痛みだすのは、ホルモンバランスが影響するためです。

通常ならそのまま抜歯治療を行いたいところですが、お腹の中には赤ちゃんがいます。痛み止めの麻酔や、術後の感染防止の抗生物質は、赤ちゃんのために避けたいところです。そうなると、痛みを我慢することになりますが、それは非常に負担となってしまいます。

親知らずのよくある質問

片方を抜歯したらもう一方も抜歯が必要ですか？

もう片方が問題なく生えている場合は、必ずしも抜く必要はありません。

親知らずのせいで歯並びが悪くなるのは本当ですか？

生え方によっては歯並びに影響する場合もあります。しかし全てのケースで歯並びに悪影響を及ぼすわけではありません。

どんな親知らずの症状でも治療できますか？

たいていの症例は当院にて対応させていただきますが、ケースによっては大学病院等の専門機関にご紹介させていただくことがございます。

・心臓病や重度の糖尿病などの全身的なリスクが非常に高い方
・極度の歯科恐怖症の方
・神経や血管を損傷する可能性が高い方

その他、親知らずの抜歯以外の口腔外科に関して

当院の口腔外科では、親知らずの抜歯以外にも、顎関節症、口内炎、スポーツなどによる外傷といったものまで対応しています。顎に違和感がある、腫れや痛みがあるなど、気になる点がありましたらお気軽にご相談ください。